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日々感じたこと、考えたことを書いていきます!


by asunaro108
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第4回演劇公演 NOZO-MIX

俺が障害者教育を志したのはいつのことだったろう。
そして、一旦それを諦めたのはいつで、どんな理由だったのだろう。
そんなことを思い出すきっかけをくれた一つの演劇を見てきた。
第4回演劇公演 NOZO-MIX _b0155016_11184084.jpg
(中は撮影出来ないので、外の様子を一枚)
うちの財団で運営している「演劇工房10ーBOX(てんぼっくす)」という演劇練習場が、仙台東部、卸町にある。ここの詳細はWebサイトをご覧頂くして、その隣に「のぞみ苑」という通所の障害者の皆さんが通う施設があるのだが、その皆さんと10ーBOXのスタッフが週1回の交流会などを通し、演劇による交流プロジェクトを行っている。その名が「NOZO-MIX(のぞ・みっくす)」。
「障害者の演劇」と聞いて、「あんな感じ」と想像し、イメージ出来た段階で「見なくともいい」と思わなかっただろうか。
もしそうだったら、これからも大きなものを見過ごし、「感じる」ことの大切さにを身につける事無く、これから過ごすことになるかもしれない。

かく言う自分も、どんな風に芝居を進めるのか、白雪姫の話ってどんなだっけ、とかいろいろ一生懸命「考え」ながら見ていた。
エンディング後、照明が明るくなった時、得も言われない恥ずかしさが残った。
それが何故なのかその時は分からなかったのだけど、今こうして振り返ってみると、感じたことを一生懸命表現している人を前に、俺は一生懸命理解しようと考えていたからなのではと、思った。演劇を見ながら昔、卒業研究等でやった「障害者の就労問題」などを思い出し、心配やら、いろいろ考えを巡らしていたのだ。

日常でも、感じたままに行動している人に俺自身の無力感を、またその人に絶対的な力を感ずるときがある。
なんかこれに近い。

見ないで「考え、想像する」ことは出来ても、「感じる」ことは出来なのではないか。
大人になってしまった人間が「感ずる」ことを全面に出す事は、これまた難しい事なのだと思う。というより、本当にやれているか厳しく自分を見つめないと、やっているつもりで終わっていそうだ。
ただ、こんな事を書きすぎると自称右脳派(※)の人たちが、いろいろ考え、詰めて行く作業を悪のように言う声が聞こえてくるようだが、「感じ」で進めるとどうしても出来る穴ボコを埋め、届かないところに橋を渡し、時には山を削ったりして、道路を「一生懸命考えて」何とかしてるからスムーズに動いているんだよ、と少し分かってもらいたい気もする。
※第一、余程の極限でもない限り右も左も無いだろう。「やれるやれない」でもなく「やるか、やらないか」だけだと常々思っているのだが。もしかして、こんなことを言うから左脳人間と呼ばれるのかな(笑)

来年度、うちの仕事で「アートの手法」を障害者教育、養護学校のカリキュラムに役立てられないかと、この教育分野に挑戦する事を検討している。障害者教育という世界は一言で言うと「小宇宙」。とてつもなく広く深く、また、教育の原点というものが日々繰り返され、蓄積されている世界でもある。ここに踏み込むと言う事は、究極の一端に挑戦するという事。個人の能力としての心配もあるが、組織自体がこれに対峙する体力があるかと言う事の方が更に心配でもある。次にこの世界に足を踏み入れる時、「卒業論文」を書きに行くつもりは更々ないので、やり始めるなら、長年に渡り実効性のあるシステムを作る気概で望むつもりだ。


とにかく、スタッフのみなさん、本当にお疲れさまでした。
音楽担当の悪友3号氏。
ほぼ0からの劇中音楽の作曲、演奏、そして何とテーマ曲まで作ってた。
とても愛溢れる音楽でした。
月並みだけど、今のところこれ以外に形容する言葉は見つかりません。

第5回を楽しみにしています!
by asunaro108 | 2009-02-08 11:22 | 思うこと